*** LP : USA 1971 / Atlantic / SD 7203 ***
■ コンディション ■
A- / A-
ジャケット:ざら紙の雰囲気抜群の見開きジャケット。左右下角スレ。下辺チラホラとスレ。これ以外はほとんど使用感のない、ぴんとした美品です。
ディスク:レーベルは片面のみ微細なヒゲが1本。盤面はわずかな紙スレ程度の美品です。ざっと全編試聴しました。A1冒頭部にチリつきと軽いプツ音数回、これ以外は散発的なプツ音2回ほど。全体にわずかなノイズ感のみ、良好に鑑賞できます。実際の音源でご確認ください。
マトリクスは
ST A71207-1A IT
ST A71208-1A TX
デヴィッド・クロスビーの71年ファースト・ソロ「イフ・アイ・クッド・オンリー・リメンバー・マイ・ネーム」。
CSNY関連のアルバムの中でも一際特異なアルバムですが、実は裏"Deja Vu"とも言える痛みのあるシンガー・ソングライター作品であると同時に、ヘヴィーなサイケデリックの大傑作です。
前年9月に交通事故死してしまった恋人に捧げられており、またCSNY内での軋轢も反映してか重苦しくも幻想的な内容。水平線に沈む夕日の写真に、心ここにあらずといった表情のクロスビーの顔のアップがコラージュされたジャケットは、当時の心境を反映しているのでしょう。
参加メンバーのポートレイトが載った見開きジャケットも、実に味わいがあります。
というわけで「オルモスト・カット・マイ・ヘア」が好きな人ならマストです!!
米国オリジナル盤。初期仕様品。なかなかの美品です。
※激レアな日本の青ラベル見本盤も在庫していますので検索してみてください。
大好きなアルバムなので曲ごとに参加ミュージシャンとコメントを記しておきます。
試聴曲は現品からの取り込み音源です。
【 A-1 Music Is Love (Crosby, Nash, Young) 3:16 】
Crosby、Graham Nash、Neil Youngの3人によるセッションで、完成したらCSN & Y名義で発表しようとしていたとしていたそうです。未完成のテープにNashとYoungがバイブとベースをダビングして完成させていますが、デモのような曲を晴れのソロ・デビュー作の冒頭に持ってくるCrosbyのセンスに脱帽です。
David Crosby ; Guitar, Vocal Graham Nash ; Vocal Neil Young ; Guitar, Bass, Vocal
【 A-2 Cowboy Movie (Crosby) 8:02 】
8分に渡るヘヴィーなサイケデリックR&Bで、Grateful DeadのJerry Garciaの蕩けるようなギターが絶品です。70年7月頃の公私共々混迷を深めていたCSN&Yの状況を唄った曲だそうです。
David Crosby ; Guitar, Vocal Jerry Garcia ; Guitar Phil Lesh ; Bass Mickey Hart ; Drums Bill Kreutzmann ; Drums
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※A1-A2連続です
【 A-3 Tamalpais High (At About 3) (Crosby) 3:29 】
マイナー調のスキャットによる非常に幻想的な曲です。その後ろで、Jerry GarciaとJorma Kaukonenがさりげなくギターを弾いてるのだから溜まりません。
David Crosby ; Guitar, Vocal Jerry Garcia ; Guitar Jorma Kaukonen ; Guitar Phil Lesh ; Bass Bill Kreutzmann ; Drums
【 A-4 Laughing (Crosby) 5:20 】
超名曲っす! Jerry GarciaのPedal SteelとJoni Mitchellのコーラスが絶妙なこの曲は、Byrds在籍中に書かれた曲ですがByrdsでは取り上げられず(73年のByrds再結成アルバムに収録)、『Deja Vu』のレコーディング中にGrateful Deadのメンバーを招き録音されたそうです。
David Crosby ; Guitar, Vocal Jerry Garcia ; Guitar Phil Lesh ; Bass Bill Kreutzmann ; Drums Joni Mitchell ; Back-Up Vocal Graham Nash ; Back-Up Vocal
【 B-1 What Are Their Names (Crosby, Garcia, Lesh, Shrieve, Young) 4:09 】
Neil YoungとJerry Garciaによるギターの掛け合いが延々と続く幻想的なイントロがたまりません。アタシャこの曲だけでLP片面を費やしてもOKなのですが、一般には「メリハリがない」と酷評されるのでしょうね。後半のCSN&Yタイプのハーモニ・ボーカルには、Grace Slickを始めとするJefferson Airplaneのメンバーに加えてGraham NashやJoni Mitchellが参加しており、タルサに拍車を駆け、眠気を招いてくれて、タマリマセン*^^*
David Crosby ; Guitar, Vocal Jerry Garcia ; Guitar, Back-Up Vocal Neil Young ; Guitar Phil Lesh ; Bass, Back-Up Vocal Bill Kreutzmann ; Drums Joni Mitchell ; Back-Up Vocal Graham Nash ; Back-Up Vocal David Freiberg ; Back-Up Vocal Paul Kantner ; Back-Up Vocal Grace Slick ; Back-Up Vocal
【 B-2 Traction in the Rain (Crosby) 3:40 】
実はこの曲が収録されているから、長いこといつでも聴けるようにこのアルバムを手元に置いておきました。アコースティック・ギターとオートハープの響きが美しいリリカル、かつ幻想的な曲です。しかも、オートハープを奏でるのはうら若きLaurie Allanチャマで、コーラスも担当しております。内ジャケのイモ姉ちゃんっぽいLaurie Allanチャマのポートレイトだけでも、娘を嫁にやる父親の心境が理解できちゃいます……
David Crosby ; Guitar, Vocal Laurie Allan ; Autoharp, Back-Up Vocal Graham Nash ; Back-Up Vocal
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※B1-B2連続です
【 B-3 Song With No Words (Tree With No Leaves) (Crosby) 5:53 】
『Deja Vu』のためにGraham Nashと2人でレコーディングしたスキャット・タイプの曲で、タイトル通り、歌詞らしい歌詞はありません。CrosbyとNashのハーモニーは絶妙ですが、『Deja Vu』に不採用になったのもよく分かります。さりげない曲ですがバックの演奏に耳を傾けると悶絶必至ですよ。
David Crosby ; Guitar, Vocal Jerry Garcia ; Guitar Jorma Kaukonen ; Guitar Gregg Rolie ; Piano Jack Casady ; Bass Michael Shrieve ; Drums Graham Nash ; Back-Up Vocal
【 B-4 Orleans (Traditional) 1:56 】
Crosbyの多重録音による透明感のあるハーモニーとアコースティック・ギターが全面的にフィーチャーされたサイケデリックな曲です。トラディショナル・ナンバーのアレンジにもCrosbyの才能を感じます。
David Crosby ; Guitar, Vocal
【 B-5 I'd Swear There Was Somebody Here (Crosby) 1:19 】
この曲も、エコーを駆使したCrosbyの声のみで構成された幻想的なスキャットによる実験的な曲です。亡き恋人への鎮魂歌。
David Crosby ; Vocal