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*** LP ： ?? / ?? (72) / Sonic Underground / No Number ***
■　コンディション　■
A / A
ジャケットは右下に軽い角打ちがあるだけで、中古としては申し分のないコンディションです。
裏ジャケットの曲目はシールをべたっと貼っただけのチープなものです。
盤面にはひげも気になる擦れもなく、中古としてこれ以上は望めないコンディションです。
20年以上前に出た最初の再発で、勿論オリジナルは聴いたこともありませんが、10年以上前の再発ではリマスター処理されているようでサウンドがスッキリしていて、この最初の再発のように籠った妖しいサウンドを堪能できません。

コテコテの英国アンダーグラウンド自主ハード・ロック、オルガン・サイケの古典的名盤として知られる、ボドキンの72年の唯一作です。
マニアの間では以前から広く知られており、オリジナルは20年以上前から「いくら旦那はんのお願いでも10万円以下じゃ売れまへんな」と言われていた鬼畜アイテムです。
それもやむなし、コンサート会場のみで販売されていたという絵に描いたような自主盤です。
スコットランドのバンドだそうで、サウンドはハモンド・オルガンを全面に導入したブリティッシュ・ハード・ロック……というよりもサイケデリックな香りのするアート・ロックといった感じです。
演奏は「さすが自主盤」と拍手を送ってしまうほど荒削りで我武者羅に突き進んでいくようでいて、実はプログレの要素もあって、かなりメロディアスでもあるんだよね。
う〜む……一言では言い尽くせないので、各曲の印象を書いておきます。
A-1「Three Days After Death (Part 1)」は、戦争映画で使われる行進曲のように潔くドカドカ始まったかと思ったら、ヴォーカル・パートは「おいおい、演歌か！」と突っ込みたくなるようなドン臭さで、演奏パートに戻ったら再びドカドカでイントロよりも過剰にオルガンにもギターにもファズを掛け捲るセンスが素敵なさ……そう「70年代初頭の日本のニューロック、ハプニングス・フォーあたりからクラシカルな部分を削除」した下品なこと極まりなく、ムチャ格好いいハード・ロックです。
A-2「Three Days After Death (Part 2)」、A-1とは別ヴァージョンのインストで、よりせっかちに始まるのですが、前触れもなく転調して泣きのメロディーをギターとオルガンで垂れ流し、再びドカドカと猪突猛進していく、頭の悪そうな垢抜けなさは痛快です。
久し振りに聴いていて思い出したのですが、初めて聴いた20数年前、このA面に嵌っちゃって5日くらいヘヴィー・ローテーションだったのでした（それほど、中毒性が高いと思います）。
B-1「Aunty Mary’s Trashcan」は、拙いホークウインドというのか、彼等なりにスペース・ロックに挑んだ野心作？ですが、とにかくサウンドがチープ……ヴォーカルは上手くはないが妙に気張ったところがなく、リード楽器をギターからさり気なくオルガンに変えるセンスもなかなか……と思ったら、終盤は「ドカドカ」になったり「スペース」になりたがったりで、この「まとまりはない」が「我武者羅さ」が「違いの分かる男（好き者）」に愛されてやまないところなのでしょう。
B-2「After Yur Lumber」はもたつきつつも疾走感を感じさせてくれるリフがなかなかで、ブラック・サバスをB級にしてオルガンを前面に出した「70年代初頭の黄金の英国ハード・ロック」好きにはたまらない快演……でも頭悪そ^^v
B-3「Plastic Man」もB-2と同タイプのメロディアスな曲で、静かなパートでは「70年代初頭のプログレ」ちっくで、激しいパートになると「70年代初頭の黄金の英国ハード・ロック」に早変わりする、素人じゃなきゃ決して出来ない見事な曲構成に痺れちゃいます。
いや〜痛快！
「痛快指数」は、何事も馬鹿馬鹿しくなっちゃって、笑う飛ばすしかなくなっちゃうほどです。
この手の音楽に理屈など入り込む余地はなく、アタシャ無条件で大好きです。
捨て曲なしの超名盤……「自主制作ハードもしくはサイケ」ファン限定ですが、下手なサイケの自主盤よりもよっぽどアシッド指数は高いです。
超B級でモコモコのサウンドを大音量で楽しみ、病人であることを実感しよう！
【収録曲】
A-1. Three Days After Death (Part 1) 9:28
A-2. Three Days After Death (Part 2) 7:09
B-1. Aunty Mary’s Trashcan 10:48
B-2. After Yur Lumber 5:12
B-3. Plastic Man 5:59
【参加メンバー　クレジットはありません】
Bill Anderson ; Fender Bass, Marshall Stack
Zeik Hume ; Vocals
Mick Riddle ; Fender Stratcaster, Marshall Stack
Doug Rome ; Hammond C3 & A2 plus Leslie Cabinet
Dick Sneddon ; Ludwig-Drums

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