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*** LP ： UK / 73 / Chrysalis / CHR 1038 ***
■　コンディション　■
B+ / A
RW ; 非コーティングのジャケットゆえリングウエアと薄い擦れがあるので厳しく「B+」としましたが、「A-」寄りのコンディションです。
SPSE ; ジャケットの天が4cmほど割れかかっています（修復可能な範囲です）。
見開きジャケットの内側に歌詞が掲載されています。
盤面にはひげが1本あるだけで気になる擦れもなく、中古としては申し分のないコンディションです。
マトリクスは【A-2U // B-1U】。
PATENT NO.入り白インナーバッグを付属していますが、水に濡れたのかヨレヨレです（ジャケットや盤面には水の形跡はありません）。

元ジャスティン（Justine）のオリジナル歌姫なのに唯一作（【ラビリンス6055】）ではジャケットに写っていないという不当な扱いを受けたローリー・スタイヴァース（Laurie Styvers）の73年の2作目にしてラスト作です。
ふと思ったのですが、ジャスティンのレコードはソコソコ見かけるが（勿論20年前からは信じられないほどのプレミア価格になっちゃいましたね）、ローリー・スタイヴァースのソロは2枚ともほとんど見かけないな……
アメリカ生まれ（初めて知りました）のローリーは渡英して68年にジャスティンに加入、69年に米レーベルのDot Recordsにシングルを吹き込んでいるそうです（これも知らなかった）。
その後ジャスティンは、やはりアメリカ出身のベスリン・ベイツ（Bethlyn Bates）と英国育ちのヴァレリー・コープ（Valerie Cope）を加入させ、唯一のアルバムのジャケットに写っているのはこの二人だということです。
なのにベスリンとヴァレリーはとっとと脱退し、けなげなローリーは一人頑張ったのですがジャスティンは解散……ですが玄人筋から評価が高かったようで、ソロを2枚残すことになりました。
そのソロ2作はともに評論家筋からは好評を得るもセールスは悲惨で、また恋人とも破局を向かえてしまいアメリカへ帰国……そのご97年にひっそりと亡くなったそうです。
そんな事実を知って『The Colorado Kid』と題された曲と見開きジャケットに写る渓谷（おそらくは故郷のコロラド州にあるグランド・キャニオンなのでしょう）を眺めつつ本作を聴いていると胸が締め付けられます。
メジャーのChrysalisが契約しただけあってローリーが書き下ろした曲のクオリティーは高く、アメリカ出身と知っても、憂いと翳りがあってとても英国的で、特にミディアム・スローのバラードは絶品です。
そして本作の全体を覆う仄暗さ……望郷の念と音楽界への見切りと受けとるのは感情移入のし過ぎなのかしら？
ちょっと甲高いけど可愛らしいで自作曲を歌うローリーを、そっと包み込むようにジェリー・ドナヒュー（Jerry Donahue）らの抑えの効いた演奏と女性コーラス陣の掛け合いも実に趣味がよく、女性SSWファンにはたまらない内容になっています。
再発も出ていないようですが、再脚光を浴びてもいい秀作です。
【収録曲と参加ミュージシャン】
A-1. 「You Are My Inspiration」 (Styvers) 3:13 ; Laurie Styvers: Piano, Gary Taylor: Bass, Alan Parker: Guitar, Jerry Donahue: Guitar, Henry Spinnetti: Drums, Dyan Birch: Backing Vocal, Frank Collins: Backing Vocal, Paddy McHugh: Backing Vocal
A-2. 「All American, Long Haired, Denimed Song - Writing, Guitar Man」 (Styvers) 2:36 ; Laurie Styvers: Piano, Gary Taylor: Bass, Rodney Wyatt: Acoustic Guitar, Alan Parker: Banjo, Jerry Donahue: Elec Guitar, Henry Spinnetti: Drums, Dyan Birch: Backing Vocal, Frank Collins: Backing Vocal, Paddy McHugh: Backing Vocal
A-3. 「Take Me Into Your Arms Again」 (Styvers) 4:00 ; Laurie Styvers: Piano,Vocals, Tommy Eyre: Elec Piano, Tristan Fry: Percussion, Alan Parker: Guitar, Jerry Donahue: Guitar, Billy Behnke: Guitar
A-4. 「Heavenly Band」 (Styvers) 4:12 ; Tom Parker: Piano, Peter Wilsher: Steel, Gary Taylor: Bass, Andrew Steele: Drums, Dyan Birch: Backing Vocal, Frank Collins: Backing Vocal, Paddy McHugh: Backing Vocal Alan Parker: Guitar, Tommy Eyre: Elec Piano, D. Whitaker: String Arrangement
A-5. 「You Can Fly Me To The Moon」 (Styvers) 3:07 ; Tommy Eyre: Electric Piano, Chrissie Stewart: Bass, Mick Cox: Guitar, Billy Behnke: Guitar, Henry Spinnetti: Drums, Dyan Birch: Backing Vocal, Frank Collins: Backing Vocal, Paddy McHugh: Backing Vocal
A-6. 「White Flowers」 (Styvers) 4:08 ; Tom Parker: Piano,Arrangement, Gary Taylor: Bass, Henry Spinnetti: Drums, Dyan Birch: Backing Vocal, Frank Collins: Backing Vocal, Paddy McHugh: Backing Vocal
B-1. 「You Be The Tide - I'll Be The Bay」 (Styvers/Murphy) 4:41 ; Tom Parker: Piano, Pete Wilsher: Steel, Andrew Steele: Drums, Gary Taylor: Bass, Tristan Fry: Percussion, Mal Luker: Sitar, D. Whitaker: String Arrangement
B-2. 「There's Still Time ((Follow Your Heart)) (Styvers) 4:54 ; Laurie Styvers: Piano, Gary Taylor: Bass, Henry Spinnetti: Drums, Jerry Hovell: Backing Vocals, Dyan Birch: Backing Vocal, Frank Collins: Backing Vocal, Paddy McHugh: Backing Vocal, George Lee: Soprano Sax
B-3. 「Oh Colorado」 (Styvers) 3:52 ; Laurie Styvers: Piano,Vocals, Chrissie Stewart: Bass, Henry Spinnetti: Drums, Billy Behnke: Guitar, Tommy Eyre: Organ
B-4. 「Gather The Grain」 (Styvers) 3:32 ; Laurie Styvers: Piano,Backing Vocal, Tommy Eyre: Electric Piano, Gary Taylor: Bass, Dyan Birch: Backing Vocal, Frank Collins: Backing Vocal, Paddy McHugh: Backing Vocal John Fields: Conga, Alan parker: Acc Guitar
B-5. 「Take Good Care」 (Styvers) 4:04 ; Tommy Eyre: Piano, Chrissie Stewart: Bass, Henry Spinnetti: Drums, Mick Cox: Guitar

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※コンディション表記は、「ジャケット / 盤質」の順になっております。
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