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*** LP ： USA / 71/ Elektra / EKS-74094 ***
■　コンディション　■
A- / A
ジャケットはノーカットでリングウエアなどのダメージはなく、中古としては「上の中」のコンディションだと思います。
盤面にはひげや気になる擦れはなく、中古としては申し分のないコンディションです。
発売当時の内袋を付属（5cmほどきれいいに破れています）。

ギターがジョン・デュ・キャン（元アンドロメダ）、ドラムスがポール・ハモンド（後にハード・スタッフ）に交代したアトミック・ルースターの2nd（70年）です。
トリオでベースレスの編成ですがヴィンセント・クレインの鍵盤がベースも兼ねており、英国王道ハード・ロックの傑作に仕上がっています。
ウイリアム・ブレイクの有名な絵画を使用した英国盤のジャケットもいいですが、レコードの溝に刻まれたサウンドを視覚化している米国盤のジャケットも捨てがたいものがあります。
サウンドの方もアート・ロックぽかった1stから、70年代初頭の「黄金の英国ハード・ロック」路線にシフト・チェンジし、見事に成功しています。
ジョン・デュ・キャンはギタリストやヴォーカリストのみならず、多くの楽曲も提供しています。
曲ごとの簡単な印象を……
A-1「Death Walks Behind You」(7:28)　　呪術的なイントロに始まり、シンプルなギター・リフと繰り返しの多いヴァースが粘りつくようにダークな雰囲気を演出しますが、実はキャッチーでポップな70年代前半の英国ハード・ロックの名曲です。
A-2「Vug」(4:57)　　ヴィンセント・クレインのハモンドを前面に出したプログレっぽいのにちょっとジャジーなインストで、ジョン・デュ・キャンのギターとの絡みはスリリング！
A-3「Tomorrow Night」(3:56)　　フリーをちょっと軽くしたようなシンプルなロックンロールなんだけど、終盤のテープ逆回転などの技巧はかなり未成熟で、そこが「70年代初頭」っぽいです。
A-4「7 Streets」(6:40)　　頭からギターとオルガンが激しく絡むどっしりとした安定感があるハード・ロック。間奏でもターとオルガンのインプロヴィゼーションも申し分ありません！
B-1「Sleeping For Years」(5:24)　　米国盤ジャケットを象徴するようなスペイシーなイントロから、爆音ギターの純正ハード・ロックに変身するジョン・デュ・キャンがやりたい放題の快曲！　「ギターのテクニック披露」に終わらず、分厚く鳴り響くオルガンとの絡みを意識している点が「ヘヴィーメタル」との決定的な違いなのでしょうね。名演です！
B-2「I Can't Take No more」(3:32)　　71年当時ちょっと注目され始めていたグラムっぽさのあるポップなハード・ロックです。
B-3「Nobody Else」(4:58)　　ジャージーなピアノによるしっとりとしたバラードから、いきなり転調して強引にハード・ロックに変身……相当無茶苦茶なんだけど、痛快なんだよね。
B-4「Gershatzer」(7:58)　　ハモンドのやかましいリフとドカドカうるさいドラムがメインのインスト。恥ずかしくなるくらい「70年代初頭の英国ハード・ロック」です。中盤での、ヴィンセント・クレインのインプロヴィゼーションは圧巻です。終盤で「負けてなるものか」とジョン・デュ・キャンも大爆発dする、痛快な演奏です。
メジャーからの発売にも関わらず、ちょっとB級な感じ……そこが最大の魅力なんです！
【参加ミュージシャン】
Vincent Crane: Hammond organ, piano, backing vocals
John Du Cann: guitars, vocals
Paul Hammond: drums, percussion
【収録曲】
A-1. "Death Walks Behind You" (Cann/Crane) 7:28
A-2. "Vug" (Crane) 4:57
A-3. "Tomorrow Night" (Crane) 3:56
A-4. "7 Streets" (Cann) 6:40
B-1. "Sleeping For Years" (Cann) 5:24
B-2. "I Can't Take No More" (Cann) 3:32
B-3. "Nobody Else" (Crane/Cann) 4:58
B-4. "Gershatzer" (Crane) 7:58

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