*** LP ： UK / 79 / CBS / 32524 ***
■　コンディション　■
A / A
ジャケットは天と背に皺がいくつかあるだけで気になりダメージはなく、中古としては申し分のないコンディションです。
盤面にはひげや気になる擦れはなく、中古としては申し分のないコンディションです。
マトリクスは【A-2 // B-3】。
発売当時の内袋を付属（破れなし）。

俗に「キリスト教3部作」と呼ばれるアルバム（79年）ですが、実は隠れた極上の「ボブ・ディラン流スワンプ・アルバム」です。
クリスチャン・ミュージックは個人的には（一部を除き）苦手なのですが、本作に俗世で言われるような「キリスト教3部作」という側面を感じたことは一度もありません。
ディラン自身が「プロのサウンド」と高く評価している本作の肝は二つあって、一つはマッスル・ショールズ録音、二つ目は「悲しきサルタン」で大ヒット・デビューを果たしたばかりのダイアー・ストレイツのマーク・ノップラー（ピック・ウィザースも参加）したことでしょう。
プロデュースにあたったのが、ジェリー・ウェクスラーとバリー・ベケットの2人なのですから、溝に刻まれたサウンドの信用度はきわめて高いですよね。
A-1「Gotta Serve Somebody」はシングル・カットされ、初のグラミー受賞（ベスト・ロック・ボーカル）したことからも分かるように、「キリスト教3部作」を極端に敬遠するのは日本だけなのかもしれませんね？
個人的には本作がリアル・タイムで聴いた初めてのボブ・ディランということもあり、初期作や『欲望』よりもよっぽど好きです。
アルバム全体が抑制の効いた演奏で、サザン・テイスト満載の女性コーラスやホーン隊、バリー・ベケットの控え目な鍵盤などどこをとっても超一級の南部的サウンドになっています。
そこに特徴的なマーク・ノップラーのギターが彩りを与えるのですからスワンプ・ファンとしては「完璧」としか言いようがありません……というのも、マーク・ノップラーは「英国裏スワンプ」名バンド、ブリュワーズ・ドループ（Brewers Droop）に一時在籍していたのですね（唯一作には不参加ですが）。
しかもマーク・ノップラーは「ディランは自分のアイドルだ」と公言しているのですから、ディランとの相性が悪いわけがありません。
楽曲も粒揃いですし、ディランのヴォーカルももしかしたら全キャリアの中で最も聴きやすいアルバムかもね。
捻り技ですが、「ディラン流スワンプ」して聴くと、新たな発見があるかもしれませんよ。
無条件で大好き！
『Blonde On Blonde』や『Desire』と同レベルで評価されていいアルバムだと思っています！
【収録曲】
A-1 Gotta Serve Somebody 5:25
A-2 Precious Angel 6:30
A-3 I Believe In You 5:05
A-4 Slow Train 5:59
B-1 Gonna Change My Way Of Thinking 5:28
B-2 Do Right To Me Baby (Do Unto Others) 3:53
B-3 When You Gonna Wake Up 5:28
B-4 Man Gave Names To All The Animals 4:26
B-5 When He Returns 4:30
【参加ミュージシャン】
Bass ? Tim Drummond
Drums ? Pick Withers
Guitar ? Bob Dylan, Mark Knopfler
Horns ? Muscle Shoals Horns
Keyboards ? Barry Beckett
Percussion ? Barry Beckett, Mickey Buckins
Backing Vocals ? Carolyn Dennis, Helena Springs, Regina Havis
Producer ? Barry Beckett, Jerry Wexler