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Keith Tippett Group / You Are Here…I Am There (Japan)
管理番号 3L-01561商品ID45816324
在庫数 SOLD OUT

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3L-01561 - Keith Tippett Group / You Are Here…I Am There (Japan) - Sold Out
コンディション違い、仕様違いの同タイトル盤があるかもしれません。アーティスト名等で検索してみてください。

この商品は売り切れですが、再入荷している場合もございます。
アーティスト名等で検索してみてください。
*** LP : Japan / 82 (70) / Polydor / 23MM 0196 ***
■ コンディション ■
B / B
純白の非コーティングのジャケットで全体に薄い染みが浮いているので「B」の評価ですが、角打ちや抜けはありません。
盤面にひげが数本あるのと、A-2の中ほどに浅い傷があって数回プチノイズ(通常にステレオで流している分にはさほど気にならない程度です)を拾うので「B」の評価にしましたが、それ以外の部分はとても綺麗で気になるノイズは拾いません。
帯(上部に4cmほどの破れと裏側に折れがあります)とライナーを付属しています。

キース・ティッペトがバリー・サマー・スクールで、他のパートでベストプレイヤーに選ばれたエルトン・ディーン(Elton Dean)、マーク・チャリング(Mark Charig)、ニック・エヴァンス(Nick Evans)らとともに結成したキース・ティッペト・グループのデビュー作です。
最初に結論を言っちゃうと、このユニットは2年余りで消滅してしまいましたが、ソフト・マシーンなどの英国ジャズ及びジャズ・ロック、キング・クリムゾンの2nd〜4thに参加してロバート・フィリップに絶大なる影響を与えたとんでもない名盤で、過小評価も甚だしいのです。
プロデュースはジョルジオ・ゴメルスキ(Giorgio Gomelsky)というのも重要なのでしょう。
ジャズとロックの垣根を取っ払うどころか、ほぼ同時期に録音されたジュリー・ドリスコールの『1969』と同じ質感で、70年前後の英国ロックやジャズばかりかフォークの「その後の可能性」を内在しているのです(キース・ティッペトのイメージからはかけ離れていると思いますが、後述します)。
アルバム全体は、69年8月にバリー・サマー・スクールで初演したアルバム表題の組曲を再構成しているようで、全曲キース・ティペットの曲です。
本作で重要なポイントは「全曲キース・ティペットの曲」であることで、英国ジャズ・ロックに限らずインプロ重視の楽曲では一応作者はクレジットされていますがテーマのみの作曲もしくは演奏をリードするミュージシャンであるケースが多いのに対して、本作の楽曲にはキース・ティペットの明確な意思を感じ取ることができるのです。
全体のサウンドはホーン・セクションを活かした幻想的フリー・ジャズといったらそれまでですが、ジャズ、トラッド、ポップスそしてクラシックなどのさまざまな要素を盛り込んだ独創的なものです。
【各曲の簡易コメント】
A-1「This Evening Was Like Last Year(To Sarah)」(9:09) ; 誰もがキング・クリムゾン『Islands』冒頭の「Formentera Lady」を思い浮かべるアルコ独走で始まる幻想的な曲で、キース・ティペットのリリカルなピアノに導かれて静かにゆっくり始るのは、皆大好きな英国民謡「スカボロ・フェアー」のメロディーなのです!ホーンのユニゾンで「スカボロ・フェアー」のテーマが奏でられるだけでも大満足なのですが、若気に至り一歩手前に米国フリー・ジャズ臭に陥ることなく、「紅茶の国」ならではの陰鬱さと70年前後ならではの「なんでもやってやろう」精神が微笑ましい快奏です。3rd以降のソフト・マシーンも2nd以降のキング・クリムゾンも、全てはこの曲から始ったといっても過言ではないでしょう。
A-2「I Wish There Was A Nowhere」(14:08) ; A-1からメドレーで始まりますが、前半のエルトン・ディーン吹きまくりのピアノ・トリオを経て、徐々にホーンが重なってきて加熱してくると、『アースバウンド』のキング・クリムゾンのようにヒートアップしますが、マーク・チャリングのセンチなのに甘すぎないコルネット・ソロとエルトン・ディーンのビター・スウィートなソロの抑制のきいた応酬で盛り上げ、キースのピアノ乱入も暴走することはなくメロディアスに終わる、ほどよく抑制された叙情的な楽曲です。このあたりの「冷め方」が、情動に流されがちな米国フリー・ジャズとフリー・ジャズも含む英国ジャズ・ロックの決定的な差異なのでしょう。
B-1「Thank You For The Smile」(2:03) ; スパイ映画のオープニングのような格好いい曲でホーンのユニゾンで「Hey Jude」が奏でられます。後に「セプトーバー・エナジー」のコーダへ発展するそうですが、手元にないため未確認です。
B-2「Three Minutes From An Afternoon In July」(4:14) ; ニック・エヴァンスのトロンボーン(珍しいですね)を前面に打ち出した幻想的(悪夢的)な曲で、私のような素人でも各種アコースティック楽器の音色を聴き分けることのできる貴重な楽曲です。
B-3「View From Battery Point」(2:02) ; ベースと(多分)グロッケンシュピールをメインにした厳かな室内楽風の楽曲です。
B-4「Violence」(4:03) ; 一転格好いいテーマから、コルネット、トロンボーン、ピアノ、サックスとソロを分け合う快速ジャズ・ロックで、ドラム・ソロまではさんじゃって、ゴキゲン御機嫌!
B-5「Stately Dance For Miss Primm」(6:51) ; 朗々たるサックスで始るのですが、転調したら『3』のソフト・マシーンにも直結するジャズ・ロックになります。ただし、その後の英国ジャズ・ロックと決定的に違い、また本作の特殊性を際立たせているのは、キース・ティペットの明確な意思を演奏者が心得ていることで、ギル・エヴァンス楽団のように抑制の効いたクールな演奏に終始しています。後年、キース・ティペットとエルトン・ディンが参加した「Hugh Hopper, Elton Dean, Keith Tippet, Joe Gallivan」の『Cruel But Fair』と『Mercy Dash』で結実する「熱気と抑制の融合」を予感させる名演です。
B-6「This Evening Was Like A Last Year - short version」(4:05) ; この大傑作のエンディングはA-1のシュート・ヴァージョンです。ほとんどの(CDの)論評では「ボーナス・トラック」と書かれていますが、オリジナルにもちゃんと収録されています。本作は、「早すぎたトータル・アルバム」としてもっと評価をされてもいいでしょう。
後年のジャズ・ロックやプログレに絶大な影響を与えた歴史的大名盤です。
【参加ミュージシャン】
Keith Tippett piano, electric piano
Mark Charig cornet
Elton Dean alto sax
Nick Evens trombone
Jeff Clyne double bass, bass
Alan Jackson drums, glockenspiel
Giorgio Gomelsky bell



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※コンディション表記は、「ジャケット / 盤質」の順になっております。
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