*** LP ： USA / 72 / Little David / LD 1002 ***
■　コンディション　■
A- / A
RW ; ジャケット表裏に薄いリングウエアがあります。
CO ; ジャケット左上に3mm×1cmほどの切込みがあります。
盤面にはひげも気になる擦れもなく、中古としては申し分のないコンディションです。
歌詞の載った内袋を付属（封入時に寄ったと思われる皺は寄っていますが、破れはありません）。

NY生まれのダン・キャシディーがLA滞在中に知り合ったマイク・ディジー（Mike Deasy）の協力を得て、マイクの呼び寄せたミュージシャンと録音した、おそらく唯一のアルバムです。
「Atlantic」傘下のマイナー・レーベル「Little David」からの発売で、このレーベルでそこそこ知られているアーティストはケニー・ランキンくらいのもので、本作もほとんど話題になりませんし、なかなか出てきませんね。
そんな「埋もれたアルバム」ですが、マイク・ディジーが集めたメンバーが強力過ぎるのです。
主だったミュージシャンをあげておきますと、ラリー・ネクテル（Larry Knechte）、カール・レイドル（Carl Radle）、ジェリー・シェフ(Jerry Schef)、ジム・ケルトナー（Jim Keltner）、ジム・ホーン（Jim Horn）、そこにレーベル仲間のケニー・ランキン（Kenny Rankin）を加えているのですから、溝に刻まれたサウンドは想像できますよね。
収録曲は、A-1「Nothing Can Stop This Dream」のみがマイクとの共作ですが、残りは全曲ダン・キャシディーのオリジナルで、これがなかなかのクオリティーなのです。
A-1「Nothing Can Stop This Dream」は浮遊感のあるハープシコードやコーラスに導かれてユッタリと始まり、一転ドカドカした無骨なサウンドになる曲で、ホーンとコーラスが熱いです。
A-2「Wintersong」は7分近い力作で、コーラス・ワークはいかにもLAスワンプな清涼感に満ちていますが、粘り気のあるギターとリズム隊がしつこく纏わり付いてきます。
こんな調子で（どんな調子や？）、重量級スワンプから清涼感のある曲まで、実にバランスの良いLAスワンプの隠れた名盤です。
センスの良いギター、ツボを心得て大暴れするジム・ホーンのサックス、大仰になり過ぎないコーラス、エレクトリックとアコースティックの使い分けと、バンマスであるマイク・ディジーの手腕にも唸らされてしまいます。
個人的に好きなのは、盛り上がるようで盛り上がらない螺旋状のウネリが強烈な土臭系SSWタイプのスワンプ・バラードのA-4「James Connally」と、全編でハード・ドライヴィンなリード・ギターが疾走しまくるB-1「34th St. To L.A.」で決定かな。
その後、アルバムは残していないようですが、彼は今でも裏方として音楽業界に従事しているそうです。
【収録曲】
A-1 Nothing Can Stop This Dream 3:19
A-2 Wintersong 6:49
A-3 Take The Time 3:56
A-4 James Connally 4:52
A-5 We Are The Children 3:16
B-1 34th St. To L.A. 4:01
B-2 Dopefiend Song 5:45
B-3 We All Once Lived In A Valley 5:04
B-4 Make The Poet The King 3:46
B-5 The Irish And Their Gin Mill Gin 3:53
【クレジット】
Lead Vocals, Guitar ? Dan Cassidy
Lead Guitar ? Mike Deasy
Guitar ? Kenny Rankin
Keyboards ? Larry Knechtel, Victor Feldman
Bass ? Carl Radle, Jerry Scheff
Drums ? Jim Keltner
Saxophone ? Jim Horn
Flute ? Jackie Kelso
Percussion ? Gary Coleman
Producer ? Jack Lewis, Monte Kay